懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1968 コロナ・マークU(RT60型)


 1968年にコロナとクラウンの間を埋めるべく発売されたトヨペット・コロナ・マークU(RT60型)です。「2番目」というネーミングがこれほど固有名詞として一般化した事例は珍しいといえるでしょう。当時トヨタはカローラ・コロナ・クラウン、日産はサニー・ブルーバード・セドリックというラインナップ体系を整えていました。しかしながらマイカー社会がより浸透していく高度成長期の日本国にあって、その3分類では不足と考えたのでしょう。コロナとクラウンの間に「アッパーミドル」と呼ばれる階級を設定したのでした。「アッパーミドル」、つまり「中の上」です。「コロナ・マークU」、このネーミングの妙、すばらしいです。「クラウン・ジュニア」とせずに「コロナ・マークU」、あくまでも「中の上」を目指した車です。こうしたいきさつからこの後ずっと「課長ぐるま」として日本社会に君臨する「マークU」が生まれたのでした。
 バブル崩壊後、企業の終身雇用・年功序列体系が崩れてから、きっとトヨタの経営陣も「マークU」というネーミングの限界を感じたのでしょう。今や世界一の自動車会社であるトヨタ、課長と部長の間に存在するとてつもなく大きなギャップを無視することはできません。「課長ぐるま」として単価の安い車種を販売するよりも「部長ぐるま」として少しでも粗利を多く稼げる高級車を販売しなくてはなりません。そんなことからこの「マークU」、現在は「2番目」ではなく「未知数」である「マークX」として脈々と販売が続けられております。イメージキャラクターはとても「課長ぐるま」とは似つかわしくない俳優の佐藤浩一さん。あんなにカッコいい万年課長はまずいません。
 現在のマークXに何度か乗ったことがあるのですが、本当にすばらしい車です。まるで自分がCMの中の佐藤浩一さんになったかと錯覚するほど運転していて気持ちいいです。
 やっぱり世界のトヨタ、これほど強烈に印象付けられていた「マークU」というネーミングを見事に短時間で払拭してしまいましたね。

コロナ・マークU・1900GSL(RT62-S)
全長×全幅×全高 : 4295×1605×1405mm
ホイールベース : 2510mm
車両重量 : 1025kg
最高速度 : 175km/h
エンジン : 直4OHC 1858cc 115PS


































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