懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1971 トヨエース(PY/RY/JY型)


 1971年にトヨタから発売された3代目トヨエース(PY/RY/JY型)です。3代目トヨエースは1979年まで生産され、このカタログは1977年のものですから、3代目とはいってもかなり熟成が進んだ時点でのカタログです。
 思い切った低価格戦略で三輪トラックを駆逐し、「トラックの国民車」という地位を確固たるものにしたトヨエースは、2代目の時点で1.5トン積みまで揃えたワイドレンジ展開をしており、小型トラックユーザーから絶大な人気を得ていました。
 そしてさらにこの3代目ではディーゼルエンジン搭載の2トン積みまでラインナップするに至りました。「これだけ揃えればあらゆる小型トラックユーザーのニーズを満たしているから、他社のトラックも全て駆逐してやる!」とトヨタが当時考えていたのかどうかはわかりませんが、後に上位トラックであるダイナがトヨエースと共通の車体を使った姉妹車になりましたから、少なくとも身内のダイナは駆逐したことになりましたね。
 さて、この3代目トヨエース、エクステリアもインテリアも先代と比べるとずいぶん現代的になりました。なんといっても画像5枚目で特別に紹介されているように、グローブ・ボックスにはふたが付き、助手席ドアにもキーが付いたぐらいですから。逆に言うと、これらのことがカタログで紹介されていると言うことは、先代がいかに簡素な装備だったのかがわかりますね。
 それにしてもこのトヨエースの運転席画像は懐かしいです。昔の車はどれもこんな感じで、長年乗っているとハンドルのホーン部分やパーキングブレーキの取っ手、そしてダッシュボードの縁の樹脂部分が紫外線によって白く劣化し、水拭きすると水分が蒸発するまでのほんの短時間だけ新品時の黒さを味わうことができた記憶があります。最近の車はUVカットガラスの採用や内装素材の改良でいつまでも綺麗だからずいぶん進歩したものですね。
 「トラックの国民車」であるトヨエース、この先どんな「トラックの国民車」になっていくのかとても楽しみです。

トヨエース・ディーゼル2.0トン積・スチール低床ロング(JY16型)
全長×全幅×全高 : 4690×1690×1965mm
ホイールベース : 2735mm
車両重量 : 1625kg
エンジン : 直4OHVディーゼル 2481cc 75PS




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