懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






ホンダ 1972 シビック(SC/SF/SH/SG型)


 1972年にホンダから発売された初代シビック(SC/SF/SH/SG型)です。このカタログはモデル末期のものなので、全車CVCCエンジン搭載となっています。初代シビックは、軽自動車ではそれなりの存在感を示していたものの小型車部門ではいまいちだったホンダを、「小型車のホンダ、ここにあり!」というぐらいにまで高めた立役者ですね。そんなホンダの看板車種だったシビックでしたが、残念ながら2010年に国内のラインナップからは消滅してしまいました。国内においては、肥大化したシビックが生き残る余地がなかったんでしょうね。

 さて、この初代シビック、合理的な設計思想が受けて大ヒットしたクルマですが、ホンダの現行ラインナップの中で、もっともこれに車格も走行性能も近いクルマというのは、意外にもN-ONEなんですよね。初代シビックの1.2Lモデルと、N-ONEのターボモデルを比較すると、車体の大きさはほぼ同じ(背はN-ONEのほうがかなり高いです)、エンジン出力も馬力・トルクともにほぼ同じです。

 「シビック」という車名にこだわらず、純粋に物理的なアウトプットだけで判断すると、初代シビックの時代から現在までの期間で、排気量は半分にダウンサイジングされているんですね。ホンダに限らずほとんどのメーカーが今まで同じインプットでアウトプットを増大させる方向へ進んできましたから、車名で判断するとどれもがどんどん大きなクルマになってきました。

 しかし昨今は欧州メーカーを中心にアウトプットを維持してインプットを減らす「ダウンサイジング」という流れが加速してきており、マークXクラスの車体で1.4Lというクルマまであります。国内においては先日発売された新型クラウンのハイブリットがこの流れですね。個人的には200PS、300PSといった高性能競争にはまったく興味がないので大歓迎なのですが、自動車メーカーの本音としてはおそらく嫌な風潮でしょうね。

 アウトプットを現状維持してインプットを減らす・・・、この風潮はおそらく自動車に限らずあらゆる分野で進んでいくと思います。「成長」の概念が徐々に変わりつつあるんでしょうね。しかしながら「給料を現状維持して出勤日数を半分に」というダウンサイジングが実現すればとても楽しい毎日が送れると思うのですが、現実は「勤務時間が増大して給料はダウンサイジング」。新たな先進国像を実現するにはまだまだ前途多難のようですね。


シビック・1200・3ドアDX(SC型)
全長×全幅×全高 : 3560×1505×1325mm
ホイールベース : 2200mm
車両重量 : 685kg
エンジン : 直4OHC 1238cc 65PS

(2013年1月14日)




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