懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1975 セドリック(330型) その2


 1975年に日産から発売された4代目セドリック(330型)です。330セドリックについては以前に本カタログのご紹介をしましたが、二谷英明夫妻が表紙のカタログが見つかりましたので、再度ご紹介させて頂きます。

 セドリックといえば二谷英明、というぐらいセドリックと二谷さんはお似合いですね。230、330、430、Y30と4代にわたってイメージキャラクターをされていたので当然といえば当然ですが、やっぱり二谷さんの落ち着いた雰囲気と高級車セドリックのイメージが合致していたからこれほどまでしっくり馴染んでいたんでしょうね。そんな二谷さんも今年の1月にお亡くなりになられてしまいました。セドリックがフーガになって久しいですが、二谷さんまでおられなくなってしまうとは、なんだかとても寂しいと同時に、時の流れを感じますね。

 さて、久しぶりに『特捜最前線』で活躍されておられた二谷さんを思い出しながらこのカタログを眺めていたら、カタログ内のあるフレーズが妙に心に響きました。4枚目の内装写真の下に書かれている、『これ以上なにをお望みですか?』という部分です。

 “ぜいを尽くした装備類。厳選されたシート。活動の、思索の、そして憩いの時をゆたかに演出するセドリックです。”ゆえに“これ以上なにをお望みですか?”が全文ですね。確かに当時の330セドリックは『これ以上なにをお望みですか?』というぐらいの高級車でした。しかし多くの人々が『さらにあれもこれも』と望んでいたようで、現在のフーガは当時の330セドリックとは比べようもないほどの超高級車になっています。いったいこの流れはどこまで続くんでしょうね?

 あの大震災から1年が過ぎようとしています。原発事故についても、政府は収束宣言をしましたが、ど素人の私にはとても収束しているようには思えません。自動車産業についても、震災後、確かトヨタはエスティマハイブリットに搭載されている1500W電源機能を他のHV車にも広げていくというようなことを言っていた記憶がありますが、東北復興の象徴として東北で生産されているHV車のアクアには搭載されていないようですね。

 原発事故でこれほどの被害を出しながら、日本の原発を海外に輸出すると言っている方もおられますし、経済界の偉い方はなんとか停止中の原発を再稼動させようと必死ですし・・・、なんだか思わず『これ以上なにをお望みですか?』と問いかけたくなってしまいます。

 中途半端なものをどんどん作ってどんどん売って、そして飽きが来たらまた新しい中途半端なものをどんどん作って売って・・・、という経済活動をしていけば確かに経済は活発になります。経済が活発になれば税収も増えるし、もう既に破たんしてしまっている年金制度も、ばれる前に見かけ上の体裁を整えることが出来るかもしれません。そのサイクルを維持するためにはやっぱり大量のエネルギーが必要となります。ゆえに人口の少ない田舎で原発を運転しなくてはなりません。・・・この流れから脱却することはやっぱり不可能なんでしょうかね?

 震災を機に私自身、ずいぶん考え方が変わりました。クルマへの興味も以前より少なくなってきていると思います。カッコいいクルマ、低燃費なエコカー、便利なスマートフォン、綺麗な画面の液晶テレビ、魅力的な製品がどんどん世に出され、生活が豊かになることはとても良いことだと思います。ただ、それら魅力的な製品群が世に出される一方で、負の側面もたくさん生み出されていることも忘れないようにしたいものですね。

 人口減少が確実になっている現在、かなり可能性が低い大幅な経済成長を目指すのもひとつの手ですが、ほどほどのところで社会をうまく回すバランス感のある舵取りも必要な気がします。一度あらゆる立場、あらゆる環境の方に一斉にアンケートを取ってみるのも良いかもしれませんね。『これ以上なにをお望みですか?』、本当に必要な製品、サービス、制度が浮き上がってくるかもしれませんね。

セドリック・4ドアハードトップ・2800SGL(KPF330型)
全長×全幅×全高 : 4785×1705×1430mm
ホイールベース : 2690mm
車両重量 : 1465kg
エンジン : 直6OHC 2753cc 140PS

(2012年3月9日記)




(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)


(画像クリックで拡大)











★ご注意★
このサイトは個人の範囲で楽しむことを目的として作られております。
記載された内容は各メーカーには一切関係ございませんので、メーカーへのお問い合わせはお控えください。
またカタログの著作権は各メーカーに帰属します。
サイト内容に関する問い合わせは kuruma_maniacs■yahoo.co.jp(■はアットマーク) へお願い致します。