懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1976 キャブスター(F20型)


 1976年に日産から発売された小型トラック、2代目キャブスター(F20型)です。このカタログは1978年に1トン積みスーパーローが追加されたときのもの。マツダのボンゴがこのクラスで小径ダブルタイヤの“まったいら”を設定してから、各社ぞくぞくと同様の“まったいら”を設定していきました。このキャブスターのカタログ、平仮名で“まったいら”と書いてあるあたり、完全にボンゴをパクっていますね。
 まあパクったかどうかは別として、“低くて、広くて、まったいら”な荷台は確かに便利です。荷台にタイヤハウスの出っ張りがあると、パレットごと荷物をフォークリフトで積み込む時などにとても不便を感じます。より便利な機能は各社こぞって採用するのも当たり前ですね。
 さてこの日産キャブスター、現在海外向けは『キャブスター』と呼ばれているようですが、国内では『アトラス』という車名で販売されています。いすゞ・エルフの小型クラスにもエルフ100という車名でOEM供給されているみたいですね。

 小型トラック分野における各社のOEM関係は複雑すぎてさっぱりわかりません。このような状況になったのはやっぱり販売台数が低下したからでしょうね。
 このクラスのトラックを含めた貨物車の販売台数は10年前と比較して3分の1にまで減少しています。ここ最近で急激に減ってしまいました。なぜでしょう?
 「はたらくクルマが減っている、つまりはたらく人が減っている」、ちょっと乱暴ですが、個人的にはそう考えています。不況による就職難が社会問題化していますが、就職難って本当に不況だけが原因なのでしょうかね。

 うちは田舎の農家ですが、百姓をしているご近所さんは高齢の方が多く、体力的な問題もあり、毎年耕作面積を減らしておられるようです。私自身も自分で面倒を見られる範囲は限られているので、何も作らずに草の管理をしているだけの畑がずいぶんあります。少なくとも“農”で働く方が減っているのは事実のようですね。
 さらに“工”について考えると、繊維関係だけでなく、自動車等の機械やパソコン等の情報機器に至るまで、効率化のために海外で造るケースが多くなっています。“工”で働く方も減っているようですね。
 “士農工商”じゃないですが、大学進学率が50%を超えているような現在、みんながみんな“士”と“商”にこだわり過ぎていることが問題のような気がしないでもありません。
 本屋さんへ行くと平積みにされているベストセラーは決まって「経営の効率化」、「できるビジネスパーソンになるためには」といった類の書籍です。考え方は人それぞれですが、“農”も“工”もなくなった国で何を「効率化」して何の「商い」をするんでしょうね。お侍さんと商人だけじゃ社会は成り立たないですから。


キャブスター・1トン積み標準・スーパーロー(F20型)
全長×全幅×全高 : 4340×1690×1895mm
ホイールベース : 2310mm
車両重量 : 1190kg
最大積載量 : 1000kg
エンジン : 直4OHV 1483cc 77PS




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