懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版) |
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トヨタ 1978 セリカXX(MA45/46型) |
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1978年にトヨタから発売された初代セリカXX(MA45/46型)です。セリカの上級車種として、フロント部分を延長したうえで6気筒エンジンを搭載し、高級グランドツーリングカーとして登場しました。海外ではスープラと名乗っていましたので、初代スープラという位置づけにもなっていますね。
さて、この初代セリカXX、当時もとてもエレガントな存在で、現在の言葉で言う「セレブ」という方が乗られるととてもよく似合いそうだと思っていましたが、改めてカタログを眺めてみてもやっぱり艶やかな色気すら感じられるほどに美しいスタイルをしていますね。カタログ写真ではそのどれもに脱ぎ捨てられた女性のハイヒールが写しこまれているあたり、メーカー側も意図的にXXには色気を与えようとしていたように思えますね。
当時、近所のご婦人でこのクルマに乗られていた方がおられました。彼女は小学校の教諭をされており、セリカXXで毎日通勤されていました。そのご婦人、セリカという車名が関係しているのかどうかよくわかりませんが、ダルマのような体型の方で、顔もまん丸なら体もまん丸、ドラえもんとまでは言いませんが、かなりそれに近いお方でした。背が低い方でしたので、運転している姿を見ると、外からはまん丸の頭が見えるだけ。クルマとドライバーのミスマッチが近所でも評判で、「頭が運転しているスポーツカー」として有名でした。
そんな彼女も日曜日はいつも畑仕事、ゴム長靴を履いている姿は何度も見ていましたが、彼女はハイヒールを履いたことがあったのだろうか?このカタログを久しぶりに眺めたら、そんな「頭が運転しているスポーツカー」を思い出してしまいました。ちなみに今もご健在で、流石に高齢になられたので運転はもうされていないようですが、畑ではちょくちょく見かけます。一段とドラえもんに近くなられており、自転車で畑に向かう彼女とすれ違う時にはいつも満面の笑みで挨拶してくれます。
クルマとドライバーのミスマッチ、実はこれには理由があり、彼女の旦那さんは早くに亡くなられました。その後、彼女だけで子育ても畑の維持管理もずっとされていたようです。「頭が運転しているスポーツカー」、これは亡くなられた旦那さんの愛車で、動く限りかなり長いことセリカXXに乗られていたようです。ハイヒールなどまったく似合わないドラえもんでも、彼女は本当のセレブ(人々によく知られ、尊敬されている人)だったんだと、今になってやっとわかってきました。
セリカXX・2600G(MA46型)
全長×全幅×全高 : 4600×1650×1310mm
ホイールベース : 2630mm
車両重量 : 1180kg
エンジン : 直6OHC 2563cc 140PS
(2012年12月5日)
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