懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 セドリック (430型)


 1979年、トヨタ・クラウン(MS110型)よりほんの少し前に日産から発売された5代目セドリックです。抑揚の激しい230型、330型からはガラッと変わって、直線基調のいかにも「正統派高級車然」とした日産の高級車です。
 この430型セドリック、実際にかなりカッコいいです。同時期のライバル、「MS110系クラウン」と比べても、この「430型セドリック」のほうが数段高貴でカッコいいと思います。「MS110系クラウン」は現在でいうアルファードやbBのような、みっともない下品さの片鱗が感じられますが(2ドアモデルについて)、この「430型セドリック」にはそんなみっともない下品さは微塵も感じられません。
 細かなことですが、430セドリックが発売されたのは79年6月、MS110クラウンが発売されたのは79年9月。3ヶ月セドリックのほうが早いんですね。2枚目の画像で「先駆の輝き。独走のセドリックターボ。」のコピーがあるように、セドリックはいつも最先端を走っています。しかし販売台数はいつも2番手を走っています。
 230型セドリックが唯一宿敵クラウンに勝ったセドリックですが、実は230型セドリック、我が家にもありました。ちなみにMS110型クラウンも我が家にありました。今考えると絶対に430セドリックのほうがいいと思うのですが、そのときは違ったんでしょうね。こういう保守的な考えをしながらも、やっぱりスピンドルシェイプのクラウンの時には230セドリックのほうが良かったんですね。
 ある程度歳を重ねてくると「クルマの歴史」が「自分の人生の歴史」にダブって来てしまいます。しかし、「クルマの歴史」が「人生の歴史」とダブって思い起こされるのはとてもすばらしいことだとも思います。「あの時のクラウンはこんなだった」「あの人が乗ってたスカイラインはカッコよかったな」「あいつはローレル買ったらいっつも見せびらかしに来てた」・・・など、昔を思い返すといつも「クルマ」が思い出の脇役として重要な位置に存在しています。下らないことですが、いつまでも「クルマ」はそんな存在であり続けて欲しいと思っています。
 そういえば、昔、久しぶりに旧友と会うとき、お互いが知っている待ち合わせ場所が近所の本屋さんしかなかったので、そこで待ち合わせをすることにしました。すると駐車場に真っ赤なフェラーリ・テスタロッサが爆音を発しながら現れました。不動産会社で大成功した旧友のこと、もしや、と思いましたが、やっぱり彼でした。他人のふりをしてその場を離れようかとも思いましたが、幼なじみとしてそんなことは出来ません。周りの白い目を感じながらテスタロッサに乗り込んだ思い出があります。
 まあこれもひとつのかけがえのない思い出ですね。


セドリック・4ドアハードトップ・ブロアム280E(P430型)
全長×全幅×全高 : 4825×1715×1410mm
ホイールベース : 2690mm
車両重量 : 1495kg
エンジン : 直6OHC 2753cc 145PS















































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