懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






スズキ 1979 アルト(HSS30V型)



 1979年にスズキが発売した初代アルト(HSS30V型)です。思い切った低価格路線で大成功したクルマですね。
 当時スズキはフロンテという軽乗用車を販売していました。そのフロンテを4代目へフルモデルチェンジする際に、4ナンバー登録の姉妹車であるこの「アルト」を発売したのです。現在でも軽自動車では同じ車種で4ナンバーと5ナンバーが同時にラインナップされているものが多いですが、それはこの「フロンテ」「アルト」から始まりました。4ナンバー登録の狙いはもちろん税金対策。低価格をとことん追求するためには、車両価格だけではなく、購入時にかかる全てのコストを考慮しなくてはなりません。こうして生まれたのがいわゆる「軽のボンバン(ボンネット・バン)」というカテゴリーです。
 当時のCMコピーで「アルト、47万円」というフレーズが記憶に残っている方も多いはず。ちなみに30年後の現在、アルトバンの最廉価グレードは62万5千円(税抜)です。車体も排気量も大きくなったことを考えるとほとんど変わっていませんね。
 鈴木社長が昔よくおっしゃっていた言葉に「トヨタさんのクラウン1台分の儲けは、うちでは10台売らないと稼げない」というのがあります。真偽のほどはわかりませんが、もしそうなら、クラウン1台の減産はスズキにとって10台分の減産ということになりますね。しかしながら自動車不況の現在、スズキは販売台数を増やしています。
 軽が売れるから軽を造ればいいとは思いませんが、やみくもに大型化、大排気量化、高価格化を進めてきたメーカーには反省が必要だと思います。

ちょっと参考資料として、
1979年
アルト:47万円、クラウン4ドアハードトップ2800ロイヤルサルーン(最高グレード):280万7千円。
2009年
アルトバン:62万5千円(税抜き)、クラウン3000ロイヤルサルーンG(最高グレード):約500万円(税抜)。

 この比較だけでもちょっとクラウンの値上がり幅が大きいような気がしますね。しかしこの比較を真に受けてはいけません。1979年当時は上記クラウンの上にはセンチュリーしかありませんでした。しかし現在は違います。マジェスタがあり、レクサスLSもあります。ですから実質、79年のロイヤルサルーンの後継としてはLSが相当すると思われます。こうなるともう1000万コースの4.6リッター。ちょっとトヨタの値上がり率と大型化の度合いは激しいような気がしますね。

アルトMX(HSS30V型)
全長×全幅×全高 : 3195×1395×1335mm
ホイールベース : 2150mm
車両重量 : 545kg
エンジン : 2サイクル3気筒 539cc 28PS

































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