懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1981 バイオレットリベルタ(T11型)


 1981年に日産から発売されたバイオレットリベルタ(T11型)です。バイオレットとしては、初代が1973年に発売されてこの代が3代目であり、FF化されたためかどうかわかりませんが、3代目には「リベルタ」というサブネームが付けられていました。
 「バイオレットリベルタ」と聞いて初代、2代目のバイオレットが思い浮かぶ方や、後にパルサーの姉妹車として登場したリベルタビラが思い浮かぶ方が多いかと思いますが、このカタログの「バイオレットリベルタ」がすぐに頭に浮かぶ方って、いったいどれぐらいおられるんでしょうね。
 この「バイオレットリベルタ」、1981年6月に日産のミドルクラスFF車として姉妹車のオースターJX、スタンザFXと共に鳴り物入りで登場したにも関わらず、バイオレットリベルタだけが1年後の1982年6月に消滅してしまいました。オースター、スタンザはモデルチェンジを繰り返して後々まで存続しましたが、このクルマだけが1年で消滅とは、なんだか可愛そうな存在でしたね。

 さて、同じようなスタイルの3兄弟にも関わらず、なぜこのバイオレットリベルタだけが1年で消滅してしまったのか?もちろん売れなかったからでしょうが、私は日産関係者ではありませんので正確な理由はわかりません。
 しかしながらこのカタログを見ていると、仮にバイオレットリベルタ購入を前提としていたとしても、おそらく私はこのカタログを見たがゆえに購入を考え直すことになっていたと思います。
 
 このカタログ、あらゆるページのあらゆる部分でFF化のメリットをくどいぐらいに紹介しています。じっくり読んでいくと、それほどカッコいいとは思えないバイオレットリベルタでも、なんだかとても走行性能が良くて使い勝手の良い素晴らしいクルマに思えてきます。セダンも端正なスタイルで素敵!5ドアハッチも使いやすそうで素敵!と徐々にバイオレットリベルタの魅力にノックアウトされそうになっていくのですが、最後のページで我に返ることになります。

 このカタログは販売店の総合カタログではなく、バイオレットリベルタ単独のカタログにも関わらず、なぜか最後のページには日産を代表するカッコいい大御所3台、ブルーバード・レパード・フェアレディZが静かに鎮座しているんですよね。FF化のメリットをこれでもか、というほど連呼した挙句に、FRの、それもバイオレットリベルタよりも数段カッコいい大御所3台を並べるセンスが私には理解できません。特にこの中の910型ブルーバードとは、車格も価格帯もかぶっています。私ならバイオレットリベルタ購入を中止して、910型ブルーバードの商談に入ると思います。

 皮肉なことにバイオレットリベルタが1年で消滅した一方、910型ブルーバードは歴代ブルーバードの中でも有数の大ヒット作となりました。きっとトヨタならどちらもそこそこ販売していたでしょうね。さすが『技術の日産』、販売戦略はやっぱり苦手だったのかもしれませんね。

バイオレットリベルタ・セダン1800・ZX-E(T11型)
全長×全幅×全高 : 4405×1665×1385mm
ホイールベース : 2470mm
車両重量 : 970kg
エンジン : 直4OHC 1809cc 110PS


(2011年1月7日記)



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