懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1981 ソアラ(MZ11/GZ10型)


 1981年にトヨタから発売された初代ソアラ(MZ11/GZ10型)です。当時のトヨタのイメージリーダーとなるべく、最先端の技術を盛り込んで開発された高級スペシャリティクーペです。カッコいいですね。当時ずいぶん憧れていましたが高級車なので庶民が買えるようなクルマではありませんでした。なんといっても2.8リッターの上級グレードはクラウンよりも高かったですから。
 四半世紀の時間が流れ、現在のソアラであるレクサスSC430もやっぱり庶民が買えない高級車です。定価710万円也、時代が変わってもカッコいいこととクラウンより高いことは変わっていませんね。さらにSC430には廉価版の下位グレードは存在しません。710万円の車種のみです。でもそのほうがいいんです。中途半端なグレードの廉価版が存在すると憧れるあまり無理なローンを組んで買ってしまうかもしれないから。トヨタのイメージリーダーたるソアラは選ばれた大人しか乗れないクルマなのです。誰もが憧れるけど大部分の人間には縁のないクルマ、それがソアラなのです。
 個人的な考えなのですが、そもそも「レクサス」という高級ブランド戦略は正しかったのでしょうか?「ソアラ」というすばらしいネーミングと人々が「ソアラ」に抱くイメージが、現在は「SC430」という味気ない型式になってしまいました。「ソアラ」といえば誰もがトヨタの高級クーペと頭に浮かびますが「レクサスSC430」といってもクルマに詳しい人でないとなかなかイメージできません。
 レクサス各車のオーナーはLSやGS、ISといえばすぐにイメージできるのかもしれませんが、私は「レクサス」=「セルシオの新型」という感じで、頭の中にはLSしか浮かびません。「ソアラ」や「アリスト」といった、長い時間をかけて築き上げてきたブランドが、「レクサス」の仲間入りをしたことで一気に影が薄い存在になってしまいました。残念というより、ちょっともったいない気がしています。

ソアラ2800GT(MZ11型)
全長×全幅×全高 : 4655×1695×1360mm
ホイールベース : 2660mm
車両重量 : 1300kg
エンジン : 直6DOHC 2759cc 170PS




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