懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1986 カムリ(V20型)


 1986年にトヨタから発売された3代目カムリ(V20型)です。このカタログは1987年に2リッターV6搭載のプロミネントが登場したときのもので、バブル期特有の豪華絢爛なカムリとなっていますね。このカムリ、後に追加される4ドアハードトップは北米でレクサスESとして販売されていたそうなので、豪華な内装も納得できますね。

 さて、この3代目カムリ、とがったところはありませんが、室内はほど良く広く、運転しやすく、それなりに高級感もあってとてもよいクルマだと思っていました。当時国内ではマーク2三兄弟の人気が絶大で、いまいち影が薄い存在ではあったものの、FFとFRの違いなどよくわからない私にとっては、“街に溢れていない”という理由でマーク2三兄弟よりもカムリのほうが好きでした。
 いつの時代もマーク2三兄弟の、そして現在ではマークXの影に隠れていまいち存在感の薄いカムリですが、これは国内に限った話で、グローバルでは立場が逆ですね。カムリといえばトヨタを代表するグローバル・ベストセラーカーで、特に北米では絶大な人気を誇っています。

 国内ではこの3代目カムリのあと、国内専用の4代目、5代目カムリが発売されましたが、本来のカムリの流れは、3代目カムリの次は日本名のセプター、そして次がカムリ・グラシアと続いていきます。天下の大トヨタでも各国向けにそれぞれの専用車を用意することはなかなか難しかったようですね。
 カムリの流れを見ていると、メーカーはそれぞれの地域の人々が欲しがるクルマを用意するのではなく、もっとも数が捌ける地域向けのクルマを用意し、それが受け入れられない地域は見捨てていくという傾向がとてもよくわかります。まあ営利企業ですから仕方のないことではありますが、現在日本が日本メーカーから“見捨てられる地域”になりつつある状況はちょっと寂しいものですね。

 カムリの話からはちょっとずれますが、先日三菱のデリカD:2というクルマが発売されました。デリカD:5のようなごついスタイルのコンパクトミニバンならかつてのパジェロ・イオのような存在で納得できますが、スズキ・ソリオのSマークをスリーダイヤに変えただけのクルマです。今後、国内市場に投入されるクルマはこんなのばかりになっていくんだろうかと考えるとクルマ好きも卒業したくなってきますね。

カムリ・ZX(SV21型)
全長×全幅×全高 : 4520×1690×1395mm
ホイールベース : 2600mm
車両重量 : 1180kg
エンジン : 直4DOHC 1998cc 120PS

(2011年2月27日記)




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