懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1986 ソアラ(Z20型)


 1986年にトヨタから発売された2代目ソアラ(MZ20/21/GZ20型)です。初代のデザインとキャラクターを踏襲したうえで、バブル期ならではのてんこ盛り仕様の高級パーソナルカーとして誕生しました。最上級グレードは500万円に届こうかという価格設定だったにも関わらず、浮かれた時代ゆえに大ヒットとなり、人々の金銭感覚を狂わせることに大いに貢献したクルマでした。

 この2代目ソアラで400万円オーバーを実現し、続く日産シーマが500万円オーバーを達成、さらにセルシオが600万円オーバーになったかと思っていたら、ダメ押しでホンダNSXが800万円という、当時の国産車としては最高額で発売され、ほんの数年のうちに「クルマの価格」というものの感覚が麻痺してしまうようになりました。

 その後、バブル経済が崩壊した後も一度狂ってしまった「高級車の価格帯」はさらに狂い続け、現在では1000万円オーバーどころか、3750万円などという国産スポーツカーも発売されるようになりました。まあ3750万円のクルマというのは例外とはいえ、500万円オーバーのプライスタグはざらで、1000万円オーバーも決して珍しい存在ではなくなってしまいました。世の中変わったものですね。

 私の記憶ではバブル期も大卒初任給は20万円弱で、現在とそれほど違っていなかったような気がします。しかし「高級車の価格帯」は確実に2倍以上になっていますね。とはいえ、それでもビジネスとして成り立っているということは、昔のように台数は捌けなくとも、買ってもらえる方から2台分、3台分をまとめていただく、ということなのでしょうね。

 さて、話を戻してこの2代目ソアラ、はっきり言ってこのクルマは当時の日本人の好みを全て具現化したようなクルマでしたね。かつてクラウンに2ドアハードトップモデルがラインナップされていましたが、初代ソアラ登場後、クラウンから2ドアモデルがなくなりました。つまりソアラはクラウンを高級パーソナルカーとして使っていた層への提案だったわけですね。そしてこの2代目は「いつかはクラウン」という方々へ向けての最終形態、当時考えられる全ての最新テクノロジーが日本人好みのスタイルにまとめられていました。大ヒットとなるのも当然ですね。

 本来はこのソアラの水準で「日本の高級車」が変遷していくはずでしたが、時代はグローバル経済へ突入、これ以降は高級車の基準が「世界の高級車」となっていきました。今考えると、5ナンバー枠に縛られていた最後の「日本の高級車」がこの2代目ソアラだったのかもしれませんね。先に触れたように、このソアラの後、5ナンバー枠に縛られることがなくなってからの高級車は次々にそれまでの常識を超えていきました。それが良かったのか悪かったのかは誰にもまだわからないと思いますが、少なくともソアラのその後を見る限り、なんでも世界基準にすればよいというわけではなさそうです。なんといっても現在の売れ筋ベストテンのうちの7台はこってこての日本基準である軽自動車ですからね。


ソアラ・2000GT-TWIN TURBO L(GZ20型)
全長×全幅×全高 : 4675×1695×1345mm
ホイールベース : 2670mm
車両重量 : 1430kg
エンジン : 直6DOHCターボ 1988cc 210PS


(2014年4月16日)




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