懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1986 グロリア・シーマ(FPAY31型)


 旧車と呼ぶには新しいですが、1988年に日産から発売されたグロリア・シーマ(FPAY31型)です。セドリック・シーマも基本的に同じクルマです。
 さてこの初代シーマ、ご存知の通りバブル絶頂期に発売され、「シーマ現象」と呼ばれるほどのブームを巻き起こしたクルマです。500万円前後という高価格にもかかわらず飛ぶように売れました。日産がシーマに託したキャッチコピーは『きっと、新しいビッグ・カーの時代が来る。』で、実際にその通りになりました。
 初代シーマはあらゆる意味で従来の概念を打ち破りました。当時の国産車は基本的に「5ナンバー枠」の範囲内で車体が設計され、排気量にしても2000ccを超えるものは高級車の一部グレードだけという状態でした。しかしこのシーマは最初から3ナンバーデザインで、排気量も3リッターのモデルしかありません。この初代シーマの大成功から、後の国産車は大きな車体、大きなエンジン、大きなパワー、高級な内装、高価な価格へと突き進むことになります。
 大排気量エンジンのみなぎるパワーから生まれる加速感は一種の麻薬のようなもので、一度味わってしまったら同等以上の加速感がないクルマにはなかなか乗られなくなってしまいます。そんな理由から、2代目シーマは初代の3リッターターボと同等の加速感をNAで味わえる4100ccになりました。
 またパワーという点では、このクルマの3リッターV6ターボエンジンは255PS、翌年発売される新型フェアレディZ(Z32型)に搭載される時点では280PSを発揮するに至り、ここから280PS自主規制が始まります。その自主規制も最近撤廃され、現在では300PS越えも珍しくなくなってきました。
 初代シーマが発売されたとき、500万という価格にもびっくりしましたが、現在では500万以上のプライスタグを付けているクルマもそれほど珍しくありません。それどころか1000万以上する国産車すらあります。バブル絶頂期ならともかく、今の社会情勢ではそんなクルマ、ほんの一握りの勝ち組しか買うことはできませんね。
 さて大排気量・大パワーの高級車に馴らされてしまった我々は、経済情勢、環境問題が悪化したからといってもなかなかエコな小型車で我慢することができません。
 話は変わりますが、初代シーマ発売の前年、1987年に小室哲哉氏率いるTMネットワークが『セルフ・コントロール』というアルバムを出し、シーマ発売の88年にはNHKの紅白歌合戦出場を果たしています。うーん、『セルフ・コントロール』できなかったのは小室哲哉氏だけではなく、自動車メーカーも、我々国民も同じだったのかもしれませんね。

以下、TMネットワーク・『セルフ・コントロール』から引用
「・・・教科書は何も、教えてはくれない。あしたのことなど、誰もわからない・・・」

グロリア・シーマ・タイプUリミテッド(FPAY31型)
全長×全幅×全高 : 4890×1770×1380mm
ホイールベース : 2735mm
車両重量 : 1640kg
エンジン V6DOHCターボ 2960cc 255PS




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