懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1988 マークU(X80型)


 1988年にトヨタから発売された6代目マークU(X80型)です。好景気だった時代背景もあり、当時販売台数はカローラよりも多く、日本で最も売れていた車でした。
 自動車学校の教習車といえばほぼこのクルマでしたから、初めて運転したクルマがこのマークUという方も多いことと思います。5ナンバー枠一杯の車格は当時ずいぶん大きく感じましたが、5ナンバー枠に収まるマークUはこれが最後で、次の代からはワイドボディの3ナンバー車となり、代を重ねる毎にでかくなっていきました。
 現在でもたまに現役の80型マークUを見かけますが、今は他のクルマがみな大きくなりましたから、当時大きく感じた80型マークUもずいぶん小さく感じてしまいますね。

 さて、個人的な印象ですが、私はこの80型マークUを見ると、『ザ・日本車』と思わず言いそうになってしまいます。日本独特の小型車枠に日本独特のデザインセンスとハイテクを組み込み、日本独特の最大公約数的思考で見事にまとめ上げられたクルマ。まさに『ジャパニーズ・スタンダード』です。
 これまで数多くの国産車が販売されてきましたが、この時期までは5ナンバー枠で様々なデザインが試みられてきました。直線的になったり曲線的になったりと、その時代の流行によって様々なクルマが生まれてきました。その集大成がこの80型マークUだったと個人的には思っています。

 1989年に自動車税の課税基準が変更され、以降に発売されるクルマは5ナンバー枠にとらわれる必要がなくなりました。そうなるともうデザインが世界基準となり、最近発売されたこのクラスのクルマはほとんどが『欧州車的』になってきましたね。この先はどうなっていくことやら。デザインの流行が国内のブームではなく、世界規模のブームによって移り変わっていくことは確かでしょうね。なんといっても現在もっとも大きな自動車市場となっているアジアの大国では流行のデザインを即座に取り入れてしまいますからね。BMWそっくりの『BNW』やトヨタそっくりの『TOYODA』が日本で販売されるようになるかもしれませんね。

マークU・ハードトップ・グランデG(GX81型)
全長×全幅×全高 : 4690×1695×1375mm
ホイールベース : 2680mm
車両重量 : 1480kg
エンジン : 直6DOHC 1988cc 170PS




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