懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






ホンダ 1989 アスコット(CB1/2/3/4型)


 1989年にホンダから発売された初代アスコット(CB1/2/3/4型)です。4代目アコードのプリモ店向け姉妹車ですが、アコードともども、同時期に発売されたアコードインスパイアの影に隠れてきわめて存在感が薄かったクルマでしたね。個人的には、アコードとアスコットの区別は簡単にできましたが、アスコットとアコードインスパイア&ビガーの区別はパッと見ではよくわかりませんでした。典型的なバブル期のホンダ顔でしたね。

 さて、この初代アスコット、今となってはその存在すら記憶に残っていないという方が大半だと思いますが、かく言う私自身も、久しぶりにこのカタログを目にするまでは頭の中からアスコットの存在は消えていました。1989年というのはいわゆるクルマの当たり年で、その時代背景を勢いにして数々の名車が世に出された年でしたが、ここまで影が薄いクルマというのも珍しいですね。きっとメーカー側も「出せば売れる」ということで高をくくっていたんでしょうね。

 ほんの20年ほど前には名前を覚えきれないぐらい豊富なラインナップだったホンダのセダンも、今やアコード1台のみ。「時代の流れだから」と一言では片付けられない何かをホンダは見失っていたような気がしてなりません。ホンダって、セダンブームになるとちょっと遅れてセダンばかり、ミニバンブームになるとちょっと遅れてミニバンばかり、軽ブームになるとちょっと遅れて軽ばかり、というラインナップになる傾向がありますね。それぞれの分野でそれなりのヒット作を出してしまうところは流石ですが、これからの時代、このパターンがいつまで通用するんでしょうね。

 このアスコットのカタログの冒頭には「変わりつづけること。走りつづけること。」というキャッチコピーが書かれています。確かにホンダのラインナップは激しく変わりつづけ、会社として必死に走りつづけていることがとてもよくうかがえます。しかしながら昨今にわかに見かけるようになった「政治家として走りつづけるために、その基本方針が変わりつづけている人」が誰からも信頼されなくなるのと同様、変わってはいけないものまで変えてしまうとそのメーカーの存在感が薄くなってしまいますね。ホンダ、そして自動車メーカーに限らず、こんな時代だからこそそれぞれの企業にとっての「変わりつづけるべきことと変わってはいけないこと」をきっちり再確認する必要があるのかもしれませんね。

アスコット・2.0FBT-i(CB3型)
全長×全幅×全高 : 4680×1695×1390mm
ホイールベース : 2720mm
車両重量 : 1290kg
エンジン : 直4SOHC 1997cc 135PS

(2012年11月19日)



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