懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版) |
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トヨタ 1989 セルシオ(F10型) |
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1989年にトヨタから発売された“高級車の新しい世界基準。”、初代セルシオ(F10型)です。この初代セルシオ、非常にしっかりした作り込みがされている高級車ゆえに現在でも現役の車体が多く、3代目、4代目であろうオーナーの素晴らしい芸術的センスにより、初代セルシオの美しさを見事に封印した下品な姿で“高級車の新しい世界基準。”を形成していますね。まああれはあれで好みの問題ですから他人がとやかく言うことではなく、無意味な光沢インチアップホイール等のアフターパーツ販売によって経済効果が生まれているのでしょうからサブカルチャーとしては良いのかもしれませんね。
さて、この初代セルシオ、私自身、実は一度もこのクルマを運転したことはないのですが、当時、取引先の社長が乗られていたので、後席に乗せていただく機会は頻繁にありました。初代セルシオといえばその驚異的な静粛性がいつも話題になっていましたが、初めて乗せていただいたときにはやはりその静粛性にびっくりしました。うまく表現できませんが、“クルマが走っていく”というよりも、“空間が走っていく”とでも言いましょうか。トヨタが徹底的に作り込んだ“高級車の新しい世界基準。”だけあって、ただただその素晴らしさに唖然としたことを覚えています。
当時は中小企業の経営者の多くがこのセルシオや先にブームを作った日産シーマを競うように購入していましたが、そのような高級車に乗られていた経営者の方から、“うちも厳しいのでもうちょっと工事費上げてください”と言われてもまったく説得力がありませんね。セルシオに乗せていただき、その素晴らしさに感嘆する一方、頭の中では“次の案件ではもっと叩けるな”ということばかり考えていました。
ところでこのセルシオ、初代に乗せていただいたときにはその素晴らしさに驚きすらありましたが、2代目、3代目となるに従い、素晴らしさを感じる度合いが減ってきたように思われました。単に私の感覚が麻痺して素晴らしさに気付かなかっただけなのか、セルシオの質感自体が落ちてきたのかはわかりません。ただ、価格だけは上がっていきましたね。まあいずれにせよ私には縁のないクルマなのでどうでもよいことですが・・・。
最後にセルシオの価格表を載せました。この価格表について、人によってはいろいろな捉え方があると思いますが、現在この価格で初代セルシオに比肩し得るクルマってありますかね?個人的には、最近の国産高級車の価格設定にはとても疑問を感じています。
セルシオ・C仕様(UCF11型)
全長×全幅×全高 : 4995×1820×1400mm
ホイールベース : 2815mm
車両重量 : 1750kg
エンジン : V8DOHC 3968cc 260PS
(2012年1月4日記)
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