懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版) |
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三菱 1991 ミラージュ(CA4A/3A/1A型他) |
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1991年に三菱から発売された4代目ミラージュ(CA4A/3A/1A型他)です。精悍な顔つきでミニギャランを思わせる先代のスタイルから一変し、丸みを帯びたかわいらしいデザインになりました。当時のテレビCMでは、チィ兄ちゃんと呼ばれていた頃の福山雅治さんとまだあどけなさが残っている深津絵里さんがイメージキャラクターとなっており、そのあまりのさわやかカップルぶりに羨ましさを通り越して不自然さすら感じたものでした。それにしてもあのお二人、あれから20年以上経っているのに相変わらずさわやかですね。
さて、この4代目ミラージュ、キーコンセプトは『ピュア・イノベーション』とのことです。「虚飾をすて、素地の美しさをを本質から磨きぬいた」デザインが美しいかどうかは個々の好みによりますが、少なくともさっぱりして飽きの来ないクルマのようには思えますね。虚飾に満ちた新型ミニバンなどと比べれば個人的にはずっとこのミラージュのほうが好ましく感じられます。最近の押しの強いコンパクトカーほど存在感もありませんが、意外とサスペンションなどの要素はこちらのほうが立派なものが付いていたりするんですよね。
ところで、虚飾といえば、最近はクルマに限らずあらゆるものが虚飾に振り回されているような気がしますね。景気回復するためにお金を使え、デフレ脱却するためにお金を使え、地方創生するためにお金を使え、雇用を確保するためにお金を使え・・・。世の中そんな掛け声の大合唱です。既に身の回りの必要な物が揃っている人間は「虚飾」の部分にお金を使うしかありません。なんだかフォアグラ生産農家が無理やりガチョウに餌を与えている光景が頭に浮かんでしまいます。
虚飾の部分で成り立っている経済は結局のところ虚飾でしかありません。この4代目ミラージュのように、「虚飾をすて、素地の美しさを本質から磨きぬく」ことに目覚めてしまった時点で経済は崩壊します。逆に言うと、普段から虚飾に頼らない自分の生活を確立しておけば、虚飾の経済が崩壊したとしても自分の生活を守ることができるんですよね。これは何も山にこもって自給自足の生活をするということではなく、自分の生活の中で虚飾の部分とそうでない部分を認識しておくことだと思います。
ちょっと話がずれてしまいました。久しぶりになんともさっぱりした4代目ミラージュの地味なカタログを眺めていたら、妙に清清しい気持ちになりました。このところ、残酷な海外のニュース等が多く、あまり良い話を聞きません。こんな時こそ、たまには自分自身の「虚飾をすて、素地の美しさを本質から磨き抜いて」、自分の中でそれぞれのニュートラルを再確認しておく必要があるのかもしれませんね。自分の中のニュートラルを見失ってしまうと、巨大な虚飾に飲み込まれてしまいかねませんからね。
ミラージュ・スーパーR(CA4A型)
全長×全幅×全高 : 3950×1690×1365mm
ホイールベース : 2440mm
車両重量 : 980kg
エンジン : 直4DOHC 1597cc 145PS
(2015年2月13日)
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