懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






日産 1991 ブルーバード(U13型)


 1991年に日産から発売された9代目ブルーバード(U13型)です。この代のブルーバードは“ブルーバード×2計画”と呼ばれるよくわからない販売方針から、セダンの「SSS」とハードトップの「ARX」という、スタイルのまったく異なる2種類のブルーバードが存在していました。

 さて、まずセダンの「SSS」から。一言で表現するなら、“やっちまった!”ですね。カタログにも『クラスを超えた存在感、セダンの新しいかたちです』と書かれている通り、確かに存在感のあるセダンの新しいかたちでしたが、存在感がありすぎて、またセダンの新しいかたちすぎて、なかなか人々には受け入れられなかったようですね。

 当時勤めていた会社の営業車にこのブルーバードのSSSがありました。運転しているかぎりは走りもよく、とてもよいクルマだと感じていたのですが、商店のガラスなどに写るブルーバードの姿を見るたびに、ナマズに見えました。どうやら私のセンスでは日産の先進性に付いていけなかったようです。同僚に、このSSSがとてもカッコいいと言っていた方がいたのですが、彼はJフェリーもとてもカッコいいと言っていました。私には大ナマズ、小ナマズにしか見えなかったので、人それぞれ感じ方が異なるものですね。

 その点、もう一方の「ARX」については、「普通にブルーバード」だと感じました。しかしながら「普通すぎるブルーバード」で、いまいち印象に残らないスタイルでしたね。

 冒険しすぎたSSSと冒険しなさすぎたARX、日産は“ブルーバード×2計画”で何をしようとしたのでしょうか?新たなブルーバード像を模索しつつも『ブルーバード』という歴史あるビッグネームでの失敗は許されないから“保険”として二本立てにしたと考えるのが自然ですが、本当のところはどうなんでしょうね。

ブルーバード・2000SSS-G(HU13型)
全長×全高×全幅 : 4585×1695×1405mm
ホイールベース : 2620mm
車両重量 : 1200kg
エンジン : 直4DOHC 1998cc 145PS

(2011年7月26日記)




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