懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1991 アリスト(JZS147型)


 1991年にトヨタから発売された初代アリスト(JZS147型)です。直列6気筒のツインターボエンジンが搭載された国産最速セダンとして“走りを忘れた大人たちへ”提供されたため、その暴力的ともいえる加速力によって“走りを思い出した大人たち”が世の中に増殖し、高速道路の追い越し車線をとんでもないスピードで駆け抜けていく中高年をよく見かけましたね。

 さて、この初代アリスト、ジウジアーロ・デザインの秀逸さのためか、すでに発売から20年経っているにも関わらず、今見ても素晴らしいデザインですね。せっかく素晴らしいデザインの高性能セダンなのに最近街で見かける初代アリストはあまり似合っていないキラキラのインチアップホイールが斜めに取り付けてあり、デザイン界の巨匠、ジウジアーロ氏にまるで挑戦状を叩きつけているかのようなエアロパーツで固められたアリストの比率が上がっていることはちょっと残念ですね。まああのように着崩しを施すことによってアリストを盗難から守るという意味合いがあるのかもしれませんが・・・。(もっとも、今時初代アリストなんて誰も盗難しませんけどね)

 1988年に“きっと、新しいビッグ・カーの時代が来る”というキャッチコピーとともに日産シーマが発売され、ハイパワー高級セダンの口火が切られました。そしてこの初代アリストで“最速セダン”という現在に至る高級セダンの基礎が確立されました。その後の流れは皆様ご存知の通り、大排気量化、高級化、大型化がひたすら進められ、今やこのクラスの上級セダンはどれに乗ってもアクセルを踏みさえすれば暴力的な加速がとても簡単に、そして上品に味わえるようになりました。

 圧倒的な加速力というものも最初は魅力を感じますが、何度も味わっているとだんだん感覚が麻痺してきます。現在の高級車のようにとても上品に信じられないような加速をするクルマになってくると、“走りを思い出した大人たち”も再び“走りを忘れた大人たちへ”逆戻りしてしまいます。

 行き着くところまで行ってしまったようにも思える現在の高級セダン、次なる魅力を提案するためかどうかはわかりませんが、日産フーガのように踏み込もうとするアクセルペダルを押し戻してくるという、ありがた迷惑な機能まで付くようになってきました。

 高級セダン市場に規範を提供してきたアリストの最新型はレクサスGSの新型としてもうじき登場するようですね。今度はどんな高級セダン像を提案してくれるのでしょうか。現行GSの存在感が少々薄いので、初代、二代目とインパクトのあったアリスト像を提案してもらいたいものですね。まあ私には縁のないクルマですが・・・。

アリスト・3.0V(JZS147型)
全長×全幅×全高 : 4865×1795×1420mm
ホイールベース : 2780mm
車両重量 : 1680kg
エンジン : 直6DOHCターボ 2997cc 280PS

(2011年8月16日記)




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