懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1991 カローラバン(E100V型系)


 1991年にトヨタから発売されたカローラバン(E100V型系)です。最近ではすっかりプロボックスがライトバンとして定着してきましたが、それ以前はライトバンといえばカローラバンが定番で、この最後のカローラバンもあらゆる業種の至るところで使われていましたね。まさに働くクルマの代名詞のような存在でした。

 さて、このカローラバン、手頃な大きさで下駄代わりにどんな道でも入って行けて、そのうえ酷使してもほとんど壊れることなく耐久性も申し分なし、たまに高速道路を走れば信じられないスピードで追い越していくのもこのカローラバン、様々なシーンで働く人々をサポートしていた素晴らしいクルマでした。

 昔、交差点で信号待ちをしていたときに後ろから追突されたのもこのカローラバン。ルームミラーで後ろを見ていると、ちょっと減速具合が怪しいと思っていたので身構えていたら案の定、ドカン!幸いそれほどのスピードではなかったのでバンパーに少々傷が付いただけでしたし、私も取引先へ行く途中だったため、名刺だけ預かってすぐにその場を立ち去りましたが、そのカローラバンも限りなく無傷でしたから、少々の事故ももみ消してしまうぐらいの営業センスも持ち合わせていましたね。

 思えばこの最後のカローラバン、世の中の労働環境がどんどん悪くなっていった時代に、社員ともども酷使され続けたライトバンでしたね。高速を猛スピードですっ飛ばすのも無理なスケジュールを強要されてしまうサラリーマンの足として使われたため、信号待ちのクルマに突っ込んでしまうのも、無理なノルマの達成方法を考えているうちに注意力が散漫となってしまったため。

 きっとこのカローラバンを運転しながらリストラされた後のことを漠然と考えたり、このカローラバンの中で鬱になりそうな自分を何とか抑えながら気分転換のタバコをふかしておられた方も多いんでしょうね。今でもたまに街で見かけますが、この最後のカローラバンを見るとなんだか疲れ果てたサラリーマンの姿が自然と連想されてしまいます。

 世の中、一部では少し景気が良くなってきているという話も聞きますが、相変わらず疲れ果てているように見えますね。消費税が上がり、ガソリンはさらに上がり、駆け込み需要の反動が表面化するであろうこれからの時期、いったいどうなることやら。まあ貧乏農家の私にはそれらはほとんど関係ないことで、これからの季節、作物の成長を毎日見ていられる時期なので懐は別として気持ちだけは明るくなります。「春」ぐらい明るい気持ちで過ごしたいものですね。


カローラバン 1.5GL (E103V型)
全長×全幅×全高 : 4265×1685×1435mm
ホイールベース : 2465mm
車両重量 : 960kg
エンジン : 直4DOHC 1496cc 97PS

(2014年4月3日)




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