懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1992 カルディナバン(T190V型)


 1992年にトヨタから発売されたカルディナバン(T190V型)です。コロナバンとカリーナバンが統合される形で世に出されました。ステーションワゴンのほうはモデルチェンジされていきましたが、このバンについてはサクシードが誕生した2002年まで販売されましたので、まだ街中でちょくちょく見かけることがありますね。

 さて、このカルディナバン、カローラバンと並んでトヨタ車の中では最後まで生き残った乗用車の名を冠する商用バンですね。現在のプロボックスとサクシードはどちらも乗用ワゴンも用意されているとはいえ、もともとは商用バンとして設計されたものです。さらにこの2台、微妙に相違点はありますが、基本的にほとんど同じ姉妹車です。パブリカバンからクラウンバンまで豊富なラインナップを誇っていたトヨタのライトバンも現在はプロボックス/サクシードのみになってしまったんですね。

 さらに他社を見ても、OEMによる様々な車名が付けられているとはいえ、実質は日産のADバンしかありません。自動車産業黎明期の主役だったライトバンも現在は事実上2車種のみになってしまったんですね。

 昔のライトバンのカタログを見ていると、洋服店、花屋さん、電気屋さん等々、様々な商店でそのライトバンが活躍しているカットが多用されており、その当時の人々の暮らしの様子がとてもよくわかって面白いものでした。ところがこのカルディナバンのカタログには人々の働く姿はどこにも写っていません。『失われた20年』に突入した頃ですので撮影費用が確保できなかったからなのかもしれませんが、商用車のカタログとしてはちょっと面白みに欠けますね。

 書いていてちょっと気付きました。そういえば昔のライトバンのカタログに写っていたような商店って、今ほとんどなくなってしまいましたね。うちの近所の商店街も完全なシャッター街になっており、子供の頃の賑やかだった面影は現在まったくありません。その代わりに発展してきたのが巨大なイオンのショッピングセンター、ヤマダ電機やエディオン等の大型家電量販店、全国区のホームセンター等です。昔賑やかだったライトバンのラインナップが2車種に統合されてしまった状況となんだか通じるものがありそうですね。

 現在ライトバンを製造しているこの2社、実は「高級セダン」と呼ばれるクルマを生産しているのも現状ではこの2社しかないんですよね。クルマだけでなくあらゆる分野で急速に進んでいる合理化・統廃合の波、この流れって本当に人々の生活にとって良いことなのでしょうかね?

カルディナバン・1500UX(T196V型)
全長×全幅×全高 : 4545×1695×1425mm
ホイールベース : 2580mm
車両重量 : 1070kg
最大積載量 : 500kg
エンジン : 直4DOHC 1496cc 100PS

(2012年9月23日)



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