懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版) |
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トヨタ 1992 クレスタ(X90型) |
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1992年にトヨタから発売された4代目クレスタ(X90型)です。この代から3ナンバーのワイドボディ仕様となり、初めて実車を見たときにはずいぶんボテッとしていると感じたものでした。しかしながらそれから20年以上が過ぎ、さらにボリューム感満点のクルマばかりとなった現在、たまにこのクレスタを街で見かけるととても華奢に見えてしまいます。人間の感覚は相対的にしか物事を捉えられないものなんですね。
さて、この90型クレスタ、当時取引先の会社の方が営業車として乗られていたので、たまに運転させていただくことがありました。とはいえそのクレスタはディーゼルのグレードでしたので、運転感覚が特に印象に残っていることもなく、ただただ「フツーの大きなクルマ」としか思っていませんでした。それからしばらく時が経ち、車検の代車として廃車間際の90型マーク2のツアラーVに乗る機会がありました。姉妹車でほとんど同じようなクルマのはずなのにエンジンが異なるとこれほどクルマの印象が変わってくるものなのかとびっくりした記憶があります。もっとも、個人的にはクレスタクラスのクルマにツアラーVグレードのエンジンなんて必要なのだろうかと感じ、クルマのキャラクターとしてはディーゼルのほうが合っているような気がしました。ディーゼルといっても、さらに一昔前の2.2Lディーゼルのように悲しくなるようなトロさは感じませんでしたし・・・。
クレスタに限らず、昔も今もほとんどのクルマで異なるエンジンを載せた様々なグレードが用意されています。そしてユーザーは自分の用途にもっとも合っていると思われるグレードを選択します。ディーゼルのクレスタに乗られていた取引先の方は北陸の小さな会社の専務さんで、自社商品の売り込みのために日本全国を飛び回っておられる方でした。私が運転させていただいた時、まだ新しかったにも関わらず既にオドメーターは10万キロを超えており、彼の移動距離に驚いたものです。そのような用途にはディーゼルグレードが最適だったんでしょうね。
最近また国会が始まって偉い方々が『世のため人のため』にいろいろと議論しているようです。アベノミクスがどうこう、消費税がどうこう、地方創生がどうこう、毎度毎度同じようなことばかり延々と言い合っていますね。まあ頭の良い偉い方々ですからきっと素晴らしいビジョンを思い描いておられることと思います。とはいえ一つ気になっていることは、なんだかツアラーVのグレードしか選択肢がない世の中に向かいつつあるように思えてなりません。ツアラーVのツインターボエンジンは、クレスタのラインナップの中でもっとも高回転、高出力、そしてプレミアムガソリンをもっとも多く消費します。
そして皆様ご存知の通り、この代や次の代のツアラーVはドリフト族にとても人気が高いクルマです。ドリフトの語源って確か「漂流」でしたよね。人々が高速回転して、高いアウトプットを生み出し、銭をどんどん循環させた結果として、行き着く先が「漂流」ということにならないように、自分自身のコンパスはきちんと持っていたいものですね。
クレスタ・シュフィール(LX90型)
全長×全幅×全高 : 4750×1750×1390mm
ホイールベース : 2730mm
車両重量 : 1380kg
エンジン : 直4OHCディーゼル・ターボ 2446cc 97PS
(2014年10月6日)
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