懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






トヨタ 1995 グランビア(H11/10/16型)


 1995年にトヨタから発売されたグランビア(H11/10/16型)です。当時のトヨタ最上級ワンボックスワゴンという位置付けのクルマですが、内容は<a href="http://www.toyota.fr/cars/new_cars/hiace/index.aspx" target="_blank" title="欧州向けのハイエース">欧州向けのハイエース</a>です。国内版ハイエースと異なり、エンジンをボンネット内に収めてクラッシャブルゾーンが確保されたスタイルになっていますね。

 さて、このグランビア、個人的には従来のハイエースと少々スタイルが異なっているとはいえ、ハイエース伝統の質実剛健さが感じられてなかなか親しみの持てるワンボックスワゴンだと思っていました。フロントはエンジンを前方へ移動させたから出っ張っていますが、リアはハイエースそのもの。“これからの1BOXは、こうなる。”というキャッチコピーの通り、これからのハイエースは商用も含めてこうなっていくのかなぁなんて思っていました。

 しかし、日産からエルグランドが発売され、たちまちそれが大ヒットすると、“これからの1BOX”の方向性がちょっと軌道修正されることとなりました。
 まず手始めに、マイナーチェンジですっきりして親しみの持てたグランビアのフロントマスクが、なんとも不恰好な巨大ヘッドライトと巨大グリルが貼り付けられた下品な顔に整形されてしまいました。いくら押し出しの強いエルグランドに対抗するためとはいえ、ちょっと安直なマイナーチェンジでしたね。現在でも<a href="http://www.toyota.fr/cars/new_cars/hiace/index.aspx" target="_blank" title="欧州ではマイチェン後の下品なグランビアがハイエース">欧州ではマイチェン後の下品なグランビアがハイエース</a>として販売されています。欧州でトヨタが弱いのはこれが原因なのかもしれませんね。

 そしてフルモデルチェンジで、全身を隅から隅まで下品さで固めたアルファードとなりました。馬鹿でかいヘッドライトと巨大グリルは後期型グランビア以上に嫌味のある下品さを醸し出し、ドアを開けて車内を覗いて見れば、ひと目で偽物とわかる品のないテカテカの木目調パネルがそこかしこに使われており、擬似高級感オーラをプンプンさせています。

 初めてアルファードを見たときには、“これはないだろっ!”と思いましたが、個人的な思いとは裏腹に一気にエルグランドを逆転し、今や“最上級ミニバンの代名詞”となっています。世の中、わからないものですね。トヨタがグランビア発表時に用いていたキャッチコピーの“これからの1BOXは、こうなる。”の意味は、現在のアルファードのように虚飾で満たされた1BOXのことだったんでしょうかね?

 “学ぶ”の語源は“真似る”だと口癖のように言っていた小学校の恩師がいました。現在、日本だけでなく、いわゆる“先進国”と呼ばれている国がことごとく元気を失っているのは“真似る”対象がないからなんでしょうね。OEMによるラインナップ拡充を進めていくと身内においてもさらに“真似る”対象はなくなっていくでしょうね。そして現時点で“真似る”対象とされている先進国を、より元気のある国々がどんどん“真似て”いきます。

 その小学校の恩師、あまりにも“学ぶ”は“真似る”だとうるさいので、図画工作の夏休みの宿題で、地元の有名画家の絵画をそっくりそのまま“真似て”描いてやりました。自分で言うのもなんですが、現在のカラーコピーと同等以上の精度でコピーできたと思います。実物に習字紙をあて、下絵をそっくり写しなおし、同じ絵の具で、実物を描いた本人から指導を受けながら描いたので精度が高いのも当然です。

 とても小学生の作品とは思えないものでしたので(当たり前ですね)学校中は大騒ぎですが、描いたのは紛れもなく私です。しかしあれだけ“学ぶ”は“真似る”だと言っていた恩師から、“某君(私のこと)の絵は何かが足りないんだよね”と言われてしまいました。

 今、日本だけではなく、欧米先進諸国も、その“何か”を探しあぐねているんでしょうね。“学ぶ”は“真似る”というのは私も同感ですが、真似るのは小学生でもできてしまいます。

グランビア・G(CH11W型)
全長×全幅×全高 : 4715×1800×1965mm
ホイールベース : 2985mm
車両重量 : 1810kg
エンジン : 直4DOHC 2693cc 145PS

(2011年10月8日記)




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