懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版)






三菱 1998 パジェロイオ(MRDC/MRXC型)


 1998年に三菱から発売されたパジェロイオ(MRDC/MRXC型)です。当時のパジェロ人気にあやかる形で一足先に軽自動車のパジェロミニ、さらにそれをベースとした1.1Lのパジェロジュニアが販売されていましたが、軽ベースの中途半端な登録車ではなく、ミドルクラスのSUVとして新設計した上で世に出されたのがこのパジェロイオです。兄貴分のパジェロに負けず劣らず精悍な顔立ちをしており、個人的にはかなり好感を持っていたクルマでした。

 さて、このパジェロイオ、カタログで『JUST MY SIZE』と謳っている通り、運転している分には大きすぎることも小さすぎることもなく、ちょうどお手頃サイズ。それに極めて見切りの良いスタイリングのためとても運転しやすいクルマでした。とはいえそう思えるのはあくまでも「運転しているときだけ」であり、後席やトランクスペースはちょっと小さすぎるような気もしました。そのような声が上がったのかどうかはわかりませんが、発売後すぐに5ドアモデルが追加され、モデル途中で3ドアが廃止、生産終了時には5ドアのみという、以前に紹介したホンダ・HR-Vと同じような歩みを辿りました。ほぼ同時期の2台がまったく同じようにラインナップ構成を変えていったという歴史の流れは面白いですね。

 パジェロイオは残念ながら1代限りで姿を消してしまいましたが、『JUST MY SIZE』というコンセプトはメーカー問わずよく出てきますね。最近では軽自動車にクラスを超えた高級感を持たせたり、また人気のレヴォーグもこの類です。大きくなりすぎたから国内の道路事情に合わせて小型化する、あるいは大きなクルマが高級車とは限らない、軽やコンパクトにもダウンサイジングユーザーが納得できる満足感を、等々、狙いはそれぞれのクルマによって様々です。ただ一つ言えることは、多くの方々が今乗っているクルマよりも大きく、高性能なクルマを求めていた時代とは異なり、『JUST MY SIZE』を望んでいるということですね。

 かつて多くの方々は『いつかはクラウンに』と思っており、その考え方が『正しい』ことでした。そして現在もあの手この手を使って、『いつかはクラウン=正』という価値観を人々に取り戻させようと必死です。トヨタが先日発売したエスクァイアなる新型車の顔を見たら思わず笑ってしまいました。あれはクラウンのパロディですかね。なんだか昔のローレルスピリットを見ているようです。

 大儲けを見込んでメガソーラーを建設したら接続保留され、国民年金は65歳まで納付延長が検討され、さらにそのお金の価値自体も黒田バズーカで一瞬のうちに変わってしまう時代です。クルマの大きさだけでなく、あらゆる意味での『JUST MY SIZE』を自分の胸にしまっておきたいものですね。頭の良い方々は本当に油断も隙もないですから・・・(おっと、そういえば隙だらけの方も何人かおられましたね。うちわとか観劇会とか)。


パジェロイオ・ZR(MRXC型)
全長×全幅×全高 : 3675×1680×1700mm
ホイールベース : 2280mm
車両重量 : 1260kg
エンジン : 直4DOHC 1834cc 130PS


(2014年11月1日)




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