懐かしの名車をカタログで振り返る・・・旧車カタログコレクション(web版) |
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トヨタ 1999 セリカ(T230/231型) |
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1999年にトヨタから発売された7代目セリカ(TA230/231型)です。先代よりも少しダウンサイジングされ、かなり特徴的なヘッドライトを備えて登場しました。発表直後はこのヘッドライト形状にとても違和感を感じていましたが、この手の縦長つり目形状は最近の車種でとてもよく見かけますね。そのせいか、たまに街中でこのセリカを見かけてもまったく古さを感じません。まあ、実際まだ比較的新しいクルマですしね。
さて、1970年代にスペシャリティカーの元祖として登場し、若者を中心としたクルマ好きから代々人気を博していたセリカも、折からのスポーツカー不遇の時代には抗うことができず、この代をもってひとまず打ち止めとなってしまいました。流行というのは恐ろしいもので、人気がなくなるといくら価格を下げてもまったく売れないようですね。このセリカ、ベースグレードは1.8Lで168万円という、かなりのバーゲンプライスでした。さらにテレビCMで「そろそろ買い替えモードじゃない?新しいトヨタに」なんてバンバン煽っていましたがやっぱり売れず、セリカは生産終了。
セリカを始めスープラ、MR-S、レビン等、一通りスポーツカーがすべてなくなってしまったら、今度はスポーツカー待望論が出て、お待ちかねの86が登場。あると誰も買ってくれないけれどないと欲しいという、消費者もなかなかわがままなものですね。そんなわがままな消費者を相手にしなくてはならないから自動車メーカーも大変です。「そろそろ買い替えモードじゃない?」なんていう控え目なお伺いCMはやめて、もっと直接的に「エコ替え!」と言い出しました。そのCMの是非はともかくとして、エコカー補助金の効果もあり3代目プリウスを始めハイブリットカーがバカ売れ状態。そして満を持して新型プリウスを発表したらなんと計画の8倍も受注してしまい、工場で働いてくれる方が足りません。さあ、困った困った、というのが現在の愛知県です。
私の感覚では99年に発売されたこのセリカも、86も、先代プリウスもまだまだ新型車種なのですが、世の中の回転は速いものですね。見事にトヨタのCMが功を奏しているようです。200万円のクルマを15年間乗り続ける人が取得にかけるコストは200万円、一方、200万円のクルマを5年乗って下取り100万、追い金100万で買い替える方は15年で倍の400万円コストをかけることになります。まあこんな単純な計算通りにはならないかもしれませんが、現代のクルマは丈夫ですから15年乗り続けても5年ごとに買い替えてもそれほど維持費は変わらないと思います。
一億総活躍して皆が「買い替えモード」になると経済成長するのかもしれませんが、個人的には買い替え頻度を半分にしてもよいので、活躍も半分にしたいと考えてしまいます。私は根が怠け者なので、できるだけ楽することを考えてしまうんですよね。
そういえば、先日農家仲間で旅行へ行ってきました。その中には、私の同級生のお父さんがおられます。彼が言うには、息子さん(私の同級生)が実家へ戻って農業を継ぎたいと言っているとのことです。そのお宅は弟さんが継がれているので、「もうお前が帰ってくるところはない」と断ったそうですが、その話を聞いてなんだか複雑な気持ちになってしまいました。彼は東大出で、現在某メガバンクに勤めており、ちょっと前までニューヨークにいたエリート中のエリートです。以前同窓会で会ったときにはそんなことを考えているようには思えませんでしたが、きっといろいろと嫌なことがあるんでしょうね。
どんどん活躍してどんどん稼いで、それで本人が幸せならそうすれば良いと思いますが、もう稼げなくてもいいから活躍したくない、なんて多くの方が腹の中で考えているような状態での一億総活躍であるのなら、ちょっと軌道修正が必要かもしれませんね。購入して15年経ったクルマでもテカテカに磨いて大切に乗っておられる方って、次々に新型車を乗り換えている方よりも豊かに見えてしまうのは私だけなのかな。まあ考え方は人それぞれですからね。
セリカ・SS-U(T231型)
全長×全幅×全高 : 4335×1735×1305o
ホイールベース : 2600o
車両重量 : 1120s
エンジン : 直4DOHC 1795t 190PS
(2016年1月22日)
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